遠賀川プリプラ中
2010年のクラシック以来の関門海峡。
TOP50第2戦が行われる福岡県遠賀川に来ています。
まず、数年前の記憶を頼りに航路や危険個所の確認。
そして、試合に向けてプラクティスを進めていきます。
その日のプラクティスを終えても・・・
プラクティスといっても釣りをするだけではなく、ホテルへ帰ってからも
ボートの上ではできない事やルアーチューニングなどを行なっています。
これがプリプラ~試合期間中に必ず持っていく作業バッグです。
まあ「秘密の部屋」ではなく「秘密のバッグ」と言ったところでしょうか?
あとは試合へ向けて最善を尽くすのみです。
C-4
僕のフィネスジグで欠かせないのが
C-4ジグ+C-4シュリンプのコンビ。
C-4ジグ1.8g+C-4シュリンプ2.8インチ。
基本的にはこの組み合わせで使い始めることが多いのですが、
フィールドの環境やその時のバスがいるポジションの違いにより、
ジグのウエイトを1.3gや2.2gへ変えることはもちろん。
ジグとトレーラーの組み合わせを変えることにより生まれる
「それぞれの差」も使い分けています。
C-4ジグ1.8g+C-4シュリンプ3.5インチ
例えば、以下のような時はC-4シュリンプのサイズを
2.8インチから3.5インチへ上げることにより対応します。
・シルエットを大きくして少し存在感をアップさせたい時
・飛距離を出してより広い範囲を攻めたい時
・スローなアクションにしたい時(水の抵抗を受けやすくなるため)
・根がかりを回避したい時
(重心を後方へ持っていくとボトムへの引っ掛かり感が減るため)
二つを並べるとこんな感じです。
さらにリアクションを意識した動きを出したい場合は
C-4ジグ2.2g+C-4シュリンプ2.8インチのコンビ。
もっとスローに使いたい時は
C-4ジグ1.3g+C-4シュリンプ3.5インチのコンビ。
というような感じで、
実際にフィールドでその時のバスのポジションや癖を感じた時に
「それぞれの差」をうまく使って「バスに合わせる」ようにしています。
それと・・・
少しマニアックな話になりますが、僕の場合C-4シュリンプの
刺し方にも「こだわり」があります。
上の写真がそのこだわり。
左はシルエットを少しだけ引き延ばす用にしたセット例(浅刺し)。
右が普通にセットした例(深刺し)です。
ちょっとわかりにくいと思うのでスカートを取って並べてみると・・・
C-4ジグの特徴でもあるワイヤーキーパーを利用して
「浅刺し」と「深刺し」を使い分けることで
わずかにシルエットとバランス変化させています。
例えば、ボトム狙いでは「深刺し」で、
フォーリングやスイミングといった「中層のバスを狙う」時には「浅刺し」で・・・
というように「同じルアーでも少しの違いを持たせる」ことで
より釣れるようになったりもします。
この夏ぐらい?発売予定のC-4ジグ2.7g 3.3g 3.8g
これまでの1.3g~2.2gというのは
主にスピニングタックルで使用していたのですが
2.7g~3.8gでは主にベイトタックルでの使用がメインになります。
特徴的なデザインやシルエットはそのままに
フックサイズ、ガードの本数、ラバーの本数を変更しています。
C-4ジグ1.3g~3.8g+C-4シュリンプ2.8インチ,3.5インチで
相当な数の組み合わせになるのですが、
「フィールドやバスのコンディションに合わせる」ということが大切です。
ロッド1本という選択
先日のTOP50開幕戦。
2日目、3日目のフロントデッキにはランディングネットとロッド1本のみ。
もちろん、それには深い理由があります。
プラクティスでは、自分が考えられる限りのパターンを探していきます。
今回の試合で使えそうだったのは
・LBローラー、キッカーイーターのクランキング
・フットボールジグのリアクション
・冠水植物、ゴミ溜り撃ち
・ジグヘッドリグ
・ダウンショットリグ
・ネコリグ
・ノーシンカーリグ
・サイトフィッシング など
これだけの戦略を立て試合に臨もうとするとタックルの数は
10数セット必要に・・・
実際、試合初日のフロントデッキには10本以上の
タックルが並んでいました。
なぜ、2日目からフットボールジグのロッド1本に絞り込んだかというと
「自分のやるべきことが解った」からです。
きっかけは1匹のバス。
初日の11時30分ぐらいまでは、「とりあえずライトリグで釣った
2500g」ぐらいのウエイトしか持っていなかったので、
キッカー狙いでフットボールジグへチェンジ。
そして、これまでのプラクティスで一度も釣りをしていない
「何気なく目に入った岩盤」で釣った1400gのバス。
この1匹のバスの「釣れ方」がすごく気になり、一度も釣りをしていない
場所をキーワードにして「見た目のいい岩盤をラン&ガン」。
短時間のうちにライトリグで釣ったバスをすべて入れ替えることができ
「これは上位にいける釣りだ」と確信したのです。
ラン&ガンというスタイルは「リズム」が大切になります。
2日目、3日目とフットボールジグロッド1本にしたのは
そのリズムを狂わせる原因となる「ある誘惑」を断つためでした。
それは・・・
初日のように「まずライトリグでキーパーを」という考えを断とうと思ったこと。
そして、釣りをしていると視界に入る「ゴミ溜り」や「見えバス」といった
別のパターンでの釣りに手を出さないようにと思ったからです。
それらの魚を狙えばリズムを崩してしまうという恐れがあったので
強制的にそれらの魚に手が出せないようにしてしまうという考えです。
そして何より、プラクティス、初日の状況から判断して
フットボールジグのランガンなら釣れるという確信があったので今回は、
「ロッド1本という選択」になりました。
JB TOP50 開幕戦
高知県早明浦ダムで行われた開幕戦。
結果は3位で終えました。
前回のブログでプリプラクティスの釣果は「いつも通り」と書いた意味は
「今は、自分の思い通りにバスが釣れる」ということ。
言葉だけ見れば、いいプラクティスがでたと思われるかもしれないですが、
あくまでプラクティスと試合とは違い、「これは普通の状況で釣れた」ということ。
2週間後の試合を想定してのプラクティスも同時にする必要があるのです。
それほど甘くないのがこのTOP50であり、そしてトーナメントのおもしろさでもあります。
いざ試合が始まれば全員が本気になりバスを狙いに行くので、
「普通の状態などあり得ない」のです。
なので、試合では「プラクティスを活かして、その時も釣る」
という展開が理想となります。
実際、この試合の3日間では、プラクティスで見ておいた地形を思い出しながら
プリプラクティスや直前のプラクティスでも釣りをしたことがないスポットで
ほとんどのバスをキャッチするという展開になりました。
3位という結果よりも「プラクティスを活かして、その時も釣る」という
理想の展開ができたことに満足しています。
理想の展開ができれば「上位入賞は間違いない」ですから。
今回、使用したのが写真のフットボールジグ3/8ozに
キッカーバグ3.5グリパンをセットしたもの。
フットボールにはC-4ジグ用のラバー(シークレットブラック)を
「やや少なめ」に巻きました。
そして、この試合用に作った「秘密のトレーラー」も使用。
メインで狙っていたのが、この写真のような岩盤のエリア。
ラバーをやや少なめの量で巻くことで水の抵抗を減らしフォールスピードを上げ
1m~6mの岩盤に差してきていたプリの雌バスを
「素早くリアクション」で狙っていきました。
釣り方のイメージは「縦のクランクベイト」。
普通、横方向にしか引けないクランクベイトを縦に引くイメージで
岩盤に擦りつけながら縦に転がして、張り出しや台地に乗せて、
そこでアクションさせて喰わせるといった感じです。
プリプラクティスや直前のプラクティスで好調だったのが、
LBローラーとキッカーイーター。
そして、ボウワーム4.2のネコリグ。
初日の午前中フットボールジグで釣った1匹のバスをきっかけに
それまでキーパー獲り用に使っていたボウワームに
全く手を出さないようにしたのが、この試合の「ターニングポイント」になりました。
そして この試合、一番重要だったのが「ラン&ガン」。
2日目、3日目は、フットボールジグのロッド1セットのみに絞り込んで勝負。
気まぐれなプリの雌バスを狙うには、とにかく「自分から仕掛けないと始まらない
・・・」
まさに、「ハイリスク・ハイリターン」な展開でした。
早明浦プリプラ終了。
7日間の日程を終え早明浦ダムから
帰ってきました。
7日間も何をするのか?
と思われるかもしれませんが、バスの釣れるエリアやルアーを探すことはもちろん
「様々な天候を体験」・・・天候の変化によるバスの行動を知る。
「バスの癖をつかむ」・・・その土地のバスを知る。
「釣れない釣りをする」・・・深い話なので書ききれません。
(他にも色々ありますがまたの機会に)
など、バスを釣ることはもちろん、すべてのことに対応できるように
これぐらいの日数が必要になります。
実際、プラクティスを進めていくと色々な日や発見があり
「その中で自分が狙うべきバスを探していく」
というのが僕が行っているプラクティスです。
晴れの日、雨の日、
穏やかな日、荒れた日、
人の多い日、人の少ない日、
釣れる日、釣れない日、
など、様々な状況を知ることができた7日間。
そして、「自問自答」をくりかえした7日間でした。
肝心の釣果の方ですが「いつも通り」という感じです。
上の写真のバスは狙って獲ったキッカーサイズ。
自分の狙い通りにこのサイズのバスが釣れると
自信になりますが、不安にもなります。
トーナメントには「同じ日や同じ状況はないので・・・」
だから常に新鮮なのかもしれません。
約2週間後のTOP50開幕戦。
あの「期待と不安が交錯する」という心境が楽しみです。