「ルアー」 のアーカイブ
CRAFT
自分の作ったルアーで釣りたい・・・
ルアーを本格的に作るきっかけとなったのが、
「シャロークランクベイト」でした。
それまでは「チューニング」を色々なルアー(ワーム含む)に自分の
考えを取り入れるといったことをしていました。
10年以上前の話になりますが、2003年にマスターズシリーズから
TOP50(ワールド)シリーズへ参戦することになったのですが、
それまではマスターズ、ウエスタン、琵琶湖、河口湖シリーズや
各チャプターなどにも参戦するという「修行時代」でした。(現在も修行中)・・・
そんなトーナメント漬けの生活をしていると、自ずと同じ境遇の仲間が
集まります。
ロッドの匠神谷、チャンプ小林(コバ)と今現在も行動を共にしていますが、
その中でも異彩を放った奴が「キムケン」こと木村建太。
バルサ、発砲ウレタン、塗装、リップ素材など・・・
当時、ルアー(クランク)を熱心に自作して作っていたのは、彼と僕ぐらい
でした。
(と、まあ昔の話はこれくらいにして・・・)
その時の経験が、今のモノづくりの原点です。
まず、自分が欲しいと思ったものを形にする。(削る)
モノづくりで、僕が一番大切にしていることは、ルアーの動きは勿論、
大きさ ・バランス・シルエット・表情など「自分基準」のモノ。
今回のフィッシングショー、FACTで新製品として発表したルアーは、
まさに自分基準のモノで、一つ一つ僕が削りだしたものです。
その中の一つがCRAFT。
初のハードプラグということで、今まで作ってきたバルサや発泡ウレタン
とは違った構造、ABS樹脂の特性や浮力などを考慮しながらの製作だったので、
まあまあ苦労しましたが、色々なことを学びながら作っていったルアーでもあります。
それだけに多くのサンプルや構造を見直し作り上げたルアーなので、
強い思い入れがあるルアーです。
その中でもルアーの顔を作る時は集中しました。
顔・目の大きさ、ボディーとのバランスなどルアーの構造上必要のない
部分ですが、僕の場合「ルアーに性格を持たせる?」といった意味でも
この顔づくりはかなり重要な作業の一つです。
さらに、重心移動システム、水を掴みやすくする扁平ヘッド、
キャスタビリティーを上げる肉厚のテール部分、カラーなど、まだまだコダワリは
あるのですが・・・
長くなりそうなのでまた紹介します。
ものづくり
ルアーの動きを見るため近くの池へ・・・
この季節になると水温が下がり、水がクリアーになってルアーの動きが
見えやすく観察しやすいので助かりますが・・・寒いです。
自分が作ったものを泳がせる時は今でもワクワクします。
イメージ通りのものか?それとも全くダメなものか?
同じルアーでもリップ、アイ、フックの重さ、重量バランスなど
少しの違いでその動きは様々。
現場では細かな修正が必要になります。
そこで必要になってくるのが、写真上の道具類。
ハサミやペンチは勿論、やはり使い勝手がいいのはリューターです。
写真上のリューターは充電式なので色々なところで使えます。
MAX25000回転まで出すことができパワーも申し分なく、穴あけや
削るといった作業をする時に便利なものです。
現場で少し削っては確認し、また削っては確認と理想の動きが出せるまで
繰り返すといった感じです。
また、「ルアーの限界を見る」ということにおいて「削る」という作業は泳ぎ、
バランス、強度など色々と「知る」ために重要で必要だと考えているので
「なくてはならない」工具の一つです。
イメージを形にする場所。
色々と試行錯誤する場所。
自分の理想の物を作れる場所。
僕のバスフィッシングには重要で必要な場所。
EGエクストリームVoI.13予告映像
今回は、北浦で開催されたJBクラシックにカメラが同船した「試合の釣り」です。
取材の釣りとは全く違うので「スポーツ」として見てもらえればと思います
想像力
僕のバスフィッシングで重要視しているのが「想像力」です。
「想像力があるほどバスが釣れるようになる」というぐらい非常に重要なもの
だと考えています。
写真(上)は「バスの目線」に近づくように水中で撮ったC-4ジグ+
C-4シュリンプ。
足元近くやクリアウォーターではルアーの動きは確認することができますが、
水深がある場所やマッディーウォーターでは想像することが重要です。
僕の場合はクリアウォーターで「水中にあるルアーの動きを見ておく」ことで
その動きを自分の中に記憶しておき、見えない場所を釣るときも
その動きを頭の中で常にイメージしながら釣りをしています。
そうすることで、動かし方や動かすタイミング「食わせの間」などに自信、
確信を持てるようになり常に「釣れそう」という感覚でアクションを付けることが
できます。
写真のように水中の落ちた葉にルアーを絡ませた状態の動きや見え方も
クリアウォーターで見ておくと、より細かく想像できるようになります。
他にもウィード、岩、杭などでも同様にチェック。
水中にあるものを利用することで「ルアー(人工物)を自然に近づける」ことが
できます。
ただ実際は、自分の思った通りのアクションを出すということは
「見えない水中では実は難しいこと」です。
・水深
・ルアーとの距離
・ラインの角度
・ルアーのウエイト
などを考えて、実際目で見た動きに自分なりの想像力を働かせて
ルアーの動きを常にイメージしながら釣りをすることを重要視しています。
さらに特殊ななのが「バスに想像させる」という考え方。
これは「ルアーを隠す」という釣り方で、障害物の陰などにルアーを入れて
見えにくくすることで、バスの方が「何がいるのか?」と想像してくれます。
これは、バスにスイッチを入れるテクニックの一つで「釣りにくいバス」によく
使う攻め方です。
見えているバスを相手にして、バスがルアーにどう反応しているのかを見ておく
ことで見えないところを釣っているときでも、バスの動きを想像できるようになり
集中力を切らさずに釣り続けることができます。
また、「想像力」というのは僕の場合「ものづくり」そのものであり
「想像したものを形にしていく」という楽しさがあります。
C-4シュリンプを作ったのも自分の経験に基づきカラーや各パーツは勿論、
見た目のシルエットを大切にして「バスの目線」を想像して作りました。
バスの目線でのC-4シュリンプ。
こちらの写真はルアーを動かして塵や埃を巻き上げたもので
「シルエット」だけがうっすらと見えるというもの。
僕にとってこの写真は「想像力をかきたてられる」ものであり
このルアーを作ってよかったと思える一枚です。
C-4
僕のフィネスジグで欠かせないのが
C-4ジグ+C-4シュリンプのコンビ。
C-4ジグ1.8g+C-4シュリンプ2.8インチ。
基本的にはこの組み合わせで使い始めることが多いのですが、
フィールドの環境やその時のバスがいるポジションの違いにより、
ジグのウエイトを1.3gや2.2gへ変えることはもちろん。
ジグとトレーラーの組み合わせを変えることにより生まれる
「それぞれの差」も使い分けています。
C-4ジグ1.8g+C-4シュリンプ3.5インチ
例えば、以下のような時はC-4シュリンプのサイズを
2.8インチから3.5インチへ上げることにより対応します。
・シルエットを大きくして少し存在感をアップさせたい時
・飛距離を出してより広い範囲を攻めたい時
・スローなアクションにしたい時(水の抵抗を受けやすくなるため)
・根がかりを回避したい時
(重心を後方へ持っていくとボトムへの引っ掛かり感が減るため)
二つを並べるとこんな感じです。
さらにリアクションを意識した動きを出したい場合は
C-4ジグ2.2g+C-4シュリンプ2.8インチのコンビ。
もっとスローに使いたい時は
C-4ジグ1.3g+C-4シュリンプ3.5インチのコンビ。
というような感じで、
実際にフィールドでその時のバスのポジションや癖を感じた時に
「それぞれの差」をうまく使って「バスに合わせる」ようにしています。
それと・・・
少しマニアックな話になりますが、僕の場合C-4シュリンプの
刺し方にも「こだわり」があります。
上の写真がそのこだわり。
左はシルエットを少しだけ引き延ばす用にしたセット例(浅刺し)。
右が普通にセットした例(深刺し)です。
ちょっとわかりにくいと思うのでスカートを取って並べてみると・・・
C-4ジグの特徴でもあるワイヤーキーパーを利用して
「浅刺し」と「深刺し」を使い分けることで
わずかにシルエットとバランス変化させています。
例えば、ボトム狙いでは「深刺し」で、
フォーリングやスイミングといった「中層のバスを狙う」時には「浅刺し」で・・・
というように「同じルアーでも少しの違いを持たせる」ことで
より釣れるようになったりもします。
この夏ぐらい?発売予定のC-4ジグ2.7g 3.3g 3.8g
これまでの1.3g~2.2gというのは
主にスピニングタックルで使用していたのですが
2.7g~3.8gでは主にベイトタックルでの使用がメインになります。
特徴的なデザインやシルエットはそのままに
フックサイズ、ガードの本数、ラバーの本数を変更しています。
C-4ジグ1.3g~3.8g+C-4シュリンプ2.8インチ,3.5インチで
相当な数の組み合わせになるのですが、
「フィールドやバスのコンディションに合わせる」ということが大切です。
一軍
コンバットクランク60。
一見するとただのボロボロになったクランクベイトですが、僕からすれば
「素晴らしく輝いて見える」クランクベイトです。
理由としては
ただ使い込んだというだけでなく、「僕自身の使い方(リトリーブスピードや
ストラクチャーへのコンタクト方法など)を覚え込ませたクランクベイト」だからです。
使い込んでいくうちに、バスの歯形や岩などにぶつけた時の塗装の剥がれで
ルアーはボロボロに。
しかし、僕が考える一番のキモは「リップの削れ」。(写真左が新品、右が一軍)
使えば使うほどその人の形にリップが削れていき、
意図したとおりの泳ぎをしてくれるようになるというのが僕の考えです。
この二つのコンバットクランク60を並べるとやはり右の使い込んだ方を
僕は選んでしまいます。
もう一つこの使い込んだクランクを選ぶ理由があります。
あまり言いたくはないのですが、それは「音」。
コンバットクランク60の場合は重心移動システムを使っているので
キャストをするとルアー内部のウエイトが「移動して戻る」という動作を
繰り返しています。
その度にウエイトがルアー内部の「壁」に当たり続けることで
ビックバスが好むより低音の音へと変わっていくのです。
(カタカタという音からコトコトという音へ変わるイメージ)
ちなみに、この上の写真はワイルドハンチです。
ここまで使い続けると「いい味」をだしてくれます。
コンバットクランク60の僕なりの使い方を解説した動画です。
気になった方はチェックしてみて下さい。
さらに、この動画で解説しきれなかった「キモ」を知りたい方はコチラからどうぞ。